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マス広告プロの現場から<1>
【売れるチラシとマス広告のスタンスの違いについて】
売れるチラシでは百発百中を理想としますが、広告の世界でモノが売れるというのは、かっては百人にある広告を見せたら、その百人に商品を買ってもらおうということが前提だった、売れるチラシと同じだったわけです。でもそんな幸せな時代は二度と来ない。百人に見せて、四十人がステキだと思ってくれればいい。その内の五人が買ってくれれば大成功(売れるチラシで言えば千三つ)だと、最近はいわれます。だけど、この四十人とは、できるだけ深いところでつながっておきたい。「この企業は私たちのことわかってるな」と思ってもらえれば、例えば同じ棚にふたつの商品が並んでいたとき、私たちのことをわかってるこの商品を買ってやろうかな、と思ってくれるかもしれない。売れるチラシでもそうですが、とくに広告宣伝では消費者との共感と理解が、差別化になるわけです。売れるチラシなどでは、こんな悠長な施策はできませんが、広告宣伝というスタンスの長いPRではこのように消費者の行動予測を表現のベースにしてゆきます。こうした表現のベースをとる企業ととらない企業の差とは何だろう、と考えますよね。この差は、企業のセンス。センスのない企業は、いくら真似てもアップルや、ナイキやホンダのセンスは出せません。百メートル15秒の選手が絶対に9秒台で走ることはあり得ないといばわかってもらえるでしょうか。
このセンスというものが、実は一番大事だと私は思っているんです。日本人は企業を人と見ます。私たちは仕事上、本田さん、松下さん、サントリーさんというように、企業を“さん”づけで呼ぶんですが、それは一般の消費者と同じイメージを代弁しているだけで、企業をさんづけで呼べるような企業は非常にイメージとセンスがよく、企業広告をしなくても大きく同業他社をリードできているのです。このような考え方は、お店の顧客を増やすという意味においても参考になるかと思います。
モノが売れていくためには、三つの力が必要である。一つは商品力、二つ目が営業力、そして三つ目が広告力。この三つがそろったとき、モノがいちばん売れるといわれるんですが、私はこれに、“企業の人格力”とでもいうべき企業イメージの力が、これからも強い影響力を持つようになると思うんです。こうしてみてきますと、売れるチラシ作りもテレビや新聞などの広告宣伝と同じではないかと気づかれたことでしょう。
【アイデアはチラシ以外のものから刺激を受けて、ポンと出てくる】
アイデアが何も浮かばない反響のある売れるチラシ作りの作業はすごくツライ。苦しんで作った売れるチラシ、どこかこじつけがあって、素直に伝わっていかないんです。だから反響のある売れるチラシの仕事人になろうと思ったら、アイデアのストックを増やすことが大切だと思います。このストックを作るとき、いちばん最悪なのは当たるチラシ集やコンサルタントの書籍を見ることです。あれらは世の中のたくさんのチラシの中から選ばれて残ったものが載っているわけで、それを見て感心してもしょうがないし、真似たってだめです。絶対に、あなたの会社に適合する反響は得られず、売れるチラシ作りにはなりません。アイデアのヒントやきっかけは、チラシ以外のところから探したほうがいいです。有名なアート分野の作家の方たちも、いろんな写真集や画集をヒントにされているようです。ただ、それをそのまま使わずに、自分なりの手を加えてチャーミングにしている。アイデアは、何もないところからポンと出てくるものではなくて、あるものから刺激を受けて、そこから反射したものが表現な訳です。その反射角が、オリジナリティである。だから、反響のある売れるチラシ作りに天才は必要ないんですね。 そうやって、これはいいと思えるものからの反射が起こると、反響のある売れるチラシ作りのパワーがすごく増します。企業には、ここまではやれるけど、これ以上の表現は…という、広告のコードがそれぞれあります。それこそ、企業が自分で自分のイメージにとらわれている証拠。そのコードを踏み出したようなアイデアがあっても、これはおもしろい、絶対伝わると思ったら、その大胆なアイデアでプレゼンテーションをかける。そのとき時間があれば、さらに過激にコードを踏み外したアイデアを2〜3点ほど持ってゆく。でも、どうしてもだめといわれたら、作り直して持って行く。なぜかといえば、相手が言ったとおりのものを作るだけなら、私たちクリエーターは必要ない、だれがやっても同じものができるわけですから。 コードをはずすという最強の表現スタンスとともに、表現をより強力にするテクニックというものもあります。つまり目立つ広告にする手法です。反響のある売れるチラシ作りにおいての訴求要素は、3つほどあります。ひとつ、キャッチコピー、ふたつめは、写真などの絵、そしてデザインの3つです。この3つがキレイにそろっていると、優等生的な観光写真になってしまいます。キレイな写真だけど、印象に残らない観光写真と同じ理由ですね。そこで、反響のある売れるチラシとし目立つチラシためには、たとえば、絵とデザインがキレイだったら言葉は生々しくする、絵と言葉がキレイだったらデザインは素人ぽっくする・・・そうやって、反響のある売れるチラシ作りでは3つが絶対にそろっていないようにする。2つがキレイなら、1つは生々しくしても絶対悪い印象は残りません。むしろ強いイメージが残り、反響のある売れるチラシ作りになります。つまり、ひとつは自由に自分のアイデアやイメージで売れるチラシ作りをコントロールできるわけです。そうやってイメージを落とさずにコードすれすれの強い広告を作っていくことができる、ことも覚えておいてください。とくにこの手法は、テレビコマーシャルづくりにおいて使われているテクニックのひとつです。
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